ワセダサロン7月例会(第597回)

酷暑の到来を予見する暑さの7/18(土)にワセダサロンを武蔵小杉にて30名の出席で開催した。井上会長(1969法研)の乾杯と板橋幹事長(1977政経)の司会で始まった。幹事長から今後の予定が報告され、歴史散策(6/6)、県下稲門会の伊勢原(5/17)、秦野(5/30)、横須賀三浦(6/20)への出席報告が各担当からあった。横浜稲門会との相互交流が継続し、昨日は川崎から、本日は横浜稲門会から出席があり、仁井淳二副会長兼幹事長(1976法)が代表で挨拶された。

本日の講演は、当会会員の石橋明久氏の中高同級生の鈴木均氏による「2月28日以降の対イラン戦争の歴史的背景と展望」である。氏は東京大学教養学部、大学院を経て1986年からアジア経済研究所で38年間の勤務・研究(2008年博士号取得)を続け、現在は東洋文庫の研究員である。この道に入ったのは高校在学中の学園紛争や大学在学中のイラン革命の影響もあるが、もともとフィールドワークを通じた農村研究が専門だった。研究を通じて対象が変わってきた。フリーの立場の現在はイラン近現代史の大著の翻訳を進めていると自己紹介し、講演を始めた。イランは長い王政から1979年のイラン革命により、イスラム共和国体制の樹立後に憲法が策定され、近代国家としての体制をいち早く整えた。イラン・イラク戦争を経て最高指導者個人への権力集中がさらに進み、これを支える革命防衛隊も巨大な産軍複合体に変貌したものの、立憲国家体制や民主国家体制も維持してきた。これはアフガニスタンを実効支配しているが、憲法も定める意思のないタリバン政権とは著しく対照をなすと述べた。アメリカとイスラエルは2026年2月28日に最高権力者のハーメネイ師を電撃的に殺害することで短期間にイラン現体制が崩壊するとの目算は大きく外れ失敗に終わった。これは専門家会議の協議で最高指導者位が次男に継承され、葬儀に推定4,000万人以上の国民が参加したとの報道にも表れている。氏は「アメリカ・イスラエルの対イラン戦争は現在進行中であり、その帰趨について予断は許されないが、恐らく現在のイスラム共和国体制は何らかの形で存続し続け、アメリカ・イスラエルおよび湾岸周辺地域は長期的にイランの軍事的脅威に苦しむことになるであろう。」と結んだ。質疑では物価高、通貨危機で体制が崩壊する可能性や、日本がイランとの直接交渉にかかわれる可能性等があった。感謝を込めて鈴木先生へエールを送り、校歌斉唱で散会した(山田 隆 記)

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